2012年 10月 25日 ( 1 )

2012.10.25

金指さんの寄木細工を知ったのはまだお店を始める数年前、
林檎の形をした小さな小物入れとの出合いからでした。

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無垢の木から伝わる優しい温もりを感じつつも、
幾何学模様が美しいそのモダンな顔つきから
北欧辺りの海外で作られたものなのだろうと思っていたら、
箱根の伝統工芸士による寄木細工の作品だと知りビックリ!
それまでにもっていた寄木細工に対するイメージがガラリと変わった瞬間でした。

一般的な箱根寄木細工は、色の異なる木を寄せ合わせて模様を作り、
無垢のブロックを薄く削り製品に貼っていくというものなのですが、
金指さんが作られる寄木細工は、無垢の寄木ブロックそのものをろくろで削り出し
立体作品を制作するという独自の技法によるものなのです。

当然、ひとつひとつの制作にはとても手間暇がかかり、
一度に量産することが出来ない貴重なものとなっています。

そして、ずっしりとした適度な木の重みやしっとりとした艶と手触り、
曲面に美しく滑らかに続く寄木の模様を、どの角度から見ても楽しむことができます。


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上から、横から…と見る角度によって印象がガラリと変わる
無着色の木々が織り成す模様は本当に美しいです。

赤や黄、緑に見える色彩もケヤキやエンジュ、カツラ等、
様々な自然の木の色合いを活かして模様が表現されており、
木の色合いは大きく分けても白色系から黒色系まで9パターンもあるのだとか。


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お酒が好きな方へのギフトとして人気の高いぐい呑み。
大きさも、大・中・小とあり、脚付きのものもございます。



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球体はさらにモダンな雰囲気が際立ちますね。
左より、楊枝入れ、一輪挿し、小物入れ…となっております。


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プリントされたかのような美しいジオメトリックな模様…。
じっくりと見ると、木目を確認することが出来、
木だけで作られているということに思わず感動してしまいます。


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9月に箱根に伺った際、実際に制作されている工房も見学させて頂いたのですが、
広い空間ながらも所狭しと様々な工具や機械、木材が並んでいました。

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※こちらは職人の渡部さん。(色々と丁寧なご説明有難うございました!)

まずは大きな木材をカットしてゆく作業から始まる金指さんの寄木細工。

複雑に見える幾何学の模様も、このカットした木材をひとつひとつ隙間なくピシーっと
手作業により組み合わせ、接着して出来ています。


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元になる寄木のブロックを作るだけでもかなりの作業ですね…。

そこから更に削り出しによってりんごの小物入れやぐい飲み等の作品の形が現れ、
しっとりと滑らかな手触りになるように仕上げの研磨作業…と
本当に数々の工程を経てひとつの作品が完成されるのです。

現在、金指さんの工房(金指ウッドクラフト)では、金指さんを含め数人の
職人さんにより日々、無垢の寄木細工を制作されています。

きっちりと作られた模様や配色、そして作品全体の美しさ…など、
箱根寄木細工の職人になるには最低でも10年を超す長い年月が必要と言われています。

また、「伝統的工芸品」に指定されている木工品は全国に幾つかありますが、
「寄木」の技術継承がされているのは箱根・小田原地方だけなのだそう。

江戸時代に箱根畑宿で生まれた箱根寄木細工。
現在も職人の技術とアイデアで様々な模様が新たに生み出されされ、
素敵な作品が今も生まれ続けています。

伝統を守るだけでなく、新たな試みを打ち出し続けることで、
今もなお人々に親しまれているのですね。


モダンな雰囲気の中に、自然の色合いを活かした無垢の木ならではの
温もりが感じられる金指さんの寄木細工。

その美しさは、直に目で見て、手に取ってその魅力を実感していただき
是非、生活の中の潤いとして取り入れていただきたいアイテム達です。

一点一点異なる木々が織り成す模様を、じっくりとご覧くださいませ。
by shop-migratory | 2012-10-25 21:50 | 金指勝悦